発 行:2017.4.3

 新年度のスタートです。
この時期は、新入社員の入社や人事異動等、一番落ち着かない時かもしれませんね。
悠悠北海道に関わって下さった方の異動の連絡も、多々いただきました。
寂しい反面、また新しい出会いが増える時期でもあり 皆様にお目にかかれるのが楽し
みでワクワクしています。また、引き継ぎや新年度計画(ダイレクトにFITを集客する課
題へ)のお手伝いもさせていただきますので、どうぞお気軽にお声掛け下さい。

 悠悠北海道にとっての嬉しい話が。
現在、札幌・函館・旭川で配布している散策マップ。海外の旅行関係者、代理店から出
発前に渡したい、提携したいと多くの声が寄せられており、いよいよ海外での配布に向
け準備を始めます。
世の中、旅はインターネット。ネットでの情報収集が主流で紙は効果がないと言われて
います。それはまるで、インターネットが普及したら印刷会社は不要になり、机から紙
は消えると言った1997年の初期の頃に似ています。

 度重なる海外出張で高橋も、実は同様のことを言いました。
ところが、ガイドブックは売れてるよ!と一笑。地図は人気です!と(笑)。
それはね、中身が面白くないからだよ!と一笑。
ブログやSNSは人気だけれども、消費の道(大まかな旅内容、ルート)を決めるのは、紙
とwebが今でも主流です。補助的な役割にスマホは有効。ということで、北海道初の12
カ国配置の、そして12カ国協力体制の<地図~スマホ~web~データベース>に向け、
もっと頑張らなきゃ!と思った次第です。

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【Taka’s Log】
1、「西高東低」の観光人気と都会軸の動き 
2、新千歳発着「5000円」
3、OTAの顔
4、注目スイーツ
5、飽きられ情報%
6、鹿に注意! しかに注目
7、浅草現象
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<1、「西高東低」の観光人気と都会軸の動き> 

 北海道への観光客数は依然人気なのですが、少し変化が起き始めています。
全国的な伸びと比較して、増えてはいるが伸び率が鈍化傾向にある、というのが海外か
らの目です。
 どういうことかといえば、これまで北海道は首都圏、関西圏に続き人気で伸び率も全
国平均を上回ってきました。が、今年に入り、来道者数は伸びてはいるものの伸び率に
鈍化傾向が見えはじめている、ということです。
また、札幌(道央)人気で来道者の7~8割は札幌に来ますが、片道2時間半(150
分)程度であれば、日帰りする傾向にある。周辺地域で宿泊はしないのです。
なぜか?これを海外で聞くと、面白い答えがきます。「観光地の情報は全部一緒、3年
前も一緒、古い雑誌と今年の雑誌、情報一緒。だからちょっと行って見るだけで満足」。 
 このままでは、ちょっと行くだけ=滞在時間は30分。この流れが定着しそうです。
半日、1日 また1泊滞在してみよう! と思わせるディープな情報がカギになります。

<2、新千歳発着「5000円」>

 悠悠北海道で昨年12月1日から海外でPRを始めたFIT国内移動1万円特価サービス、
さらに期間限定ではありますが、北海道内の移動が5000円の特価サービスが始まりまし
た。千歳から、函館、稚内、釧路、女満別、中標津の5路線のANA便が対象です。西高東
低で千歳一極集中が続くならば、千歳経由のPRは必要です。
現在情報更新作業中です。

<3、OTAの顔>

 OTA=オンラインでの旅行会社(店舗のないネット上の販売会社)、国内では「じゃら
ん、楽天、Yahooトラベル」などなどたくさんあります。海外では「booking.com、
agoda、Ctrip、Expedia」などが有名です。ホテル、飛行機、現地オプショナルツアーや
レンタカーなどをネット上で手配できます。

 実はこの勢いが止まりません。ざっくりと、旅行代理店の店頭2割+旅行代理店の
web2割+OTA6割といった流れです。皆さんのところの比率は如何でしょう?
OTAは便利なのですが、基本料とか手数料や前払い、現地払い、あるいは月の目標値を超
えたときのボーナスリベートなど様々です。

 今回の話題はOTAの手数料です。国内は7~10%(前払いの場合は+2%)、
海外は12~15%(前払いの場合は+2%)と言われています。当然、力関係なので
すが、皆さんいかがでしょうか? 
この%よりもいい条件のところは、
1)外資系の世界チェーンホテル 
2)独自の予約手段をしっかり展開しているホテル 
程度で、北海道ではほとんどのケースで、もっと高いよ! 特に外国のOTAは20~25
%です! というホテルが続出してはいないでしょうか? 予約サイトも外注だと2)
には該当しません。

 OTAから見ると、インターネットでダイレクトに予約するチャンスがあるのに、それを
しないのは何か理由がある。だとすれば、我々のサービスを提供しよう。かなりアドバ
イスも必要だろうから満額クラスで提供しよう。OTAなので個人客=FITですが、25%
の手数料が北海道を舞台に海外に流れるのは、いくら補助金などで集客の応援をしても、
北海道経済的には垂れ流し状態と見られませんか?ということです。

 ヨーロッパではOTAの手数料は5~10%だとか。その差額、15~20%です。
すごい額になります。
例えば、宿泊料1万円で北海道4泊とします。海外OTA経由60%のすべてとして、
来道数200万人として、200万*60%*1万円*4泊*15%~20%=72億
~96億の流出になります。
これは、ホテルだけです。Airの手数料は今や微々たるものです。理由は、Air会社自体
に低価格サービスがあり、かつダイレクトの窓口が探せるからです。現地オプショナル
は30~40%ですね。税金が原資の補助金をもらうより、この流出を止める手立てを
しませんか? 年間100億円以上の流出(国内OTAとて同じです)が止まり、地元で消
費されれば、相当大きなレジャー施設や空港ができそうです。あるいは、海外に北海道
の特産品保冷倉庫を建設維持できそうです。

 地域の観光経済は、ホテルの動き方が大きく影響します。ホテルが宿泊所だけなのか、
明日の予定の情報収集場所なのか、そしてこのことをいかに伝え、手数料ゼロに進むの
か。とても興味深く見ています。

国内OTAの都内平均
・楽天トラベル 7%~9%
・じゃらん 10% (前決は+2% 1名予約は8%)
・るるぶ 8% (前決は+2%)
・Yahooトラベル 0% (ポイント5%~)
・ベストリザーブ宿ぷらざ 5% (前決+2%)
・e宿 8% (前決は+2%)
・一休.com 10% (一休ビジネスは8% 前決は+3.5%)
・e宿(近畿ツーリスト) 8%
・らくだ倶楽部 10% (前決は+2%)

海外OTAの都内平均
・Agoda 国内9% 海外12%
・Booking.com 12%
・Expedia 12% (前決+3%)
・Ctrip 15%

<4、注目の北海道スイーツ>

 北海道でお土産といえば、薬・コスメか北海道のお菓子。今回は、お菓子をチェック
しました。当然、悠悠北海道のチェックですから、今ではなく、これからの人気です。

 ルタオ ドゥーブルフロマージュなど
 北菓楼 おかきなど
 柳月  三方六など
 ロイズ チョコポテトチップスなど
 六花亭 マルセイバターサンドなど

 海外からの目では、鉄板のお土産スイーツから、目新しいものを探していることを感
じています。

<5、飽きられ情報%>

 今や、多かれ少なかれ、インバウンド対策として情報を発信されているでしょう。
残念なことに、自動翻訳を使ったり(これはサーチエンジン対策の観点で0点どころか
マイナス点)、翻訳したページを日本に置いたままだったり(これは検索率がよくない)
等の問題はあるにせよ、実は、それ以前に発信している情報が飽きられていませんか?
というか、ニーズにそぐわなくなっていると思うべきなのは何年くらいだと思いますか?

同じ、名物の夕日でも、名物のグルメでも、あるいはアクティビティでも、3年経つと
表現方法が古くなります。当然、日本でも同じです。SNSが人気なのは、毎日どころか、
毎時、あるいは毎分の反応があるからで、そこで常に最新でいるのは、実に重労働です。
担当者がつきっきりで朝夕。それも言語ごとの担当者。だから、webが放置3年となれば、
それは死後の世界のごとく、です。同じ夕日でも表現方法を変える努力だし、写真を変
える(アングルを変える)、点数を増やす、動画にするなど、やはり工夫が必要です。

 しかも、最近のニーズは言語ごとではなく、国ごとにシフトしつつあります。店頭に
は同じ商品が並んでいても、国によって興味が違うというケースを現場の人は感じてい
るはずです。これをタイならこの写真、ベトナムならこの写真、台湾はこれ など、写
真チェンジだけでも相当違います。現場の声がwebに反映される、この流れは大事です。

 それと、SNSや雑誌や地図など目に止まる=目立つもの+多言語公式webを意識して
ください。消費するのは、そして高額になればなるほど、webだし、計画に入るだけの
時間が必要です。店頭でチラシを配布して入場する人の数は多くても単価が激安なのと
同じです。

<6、鹿に注意! しかに注目>

 道路には鹿が飛び出す季節です。運転手は注意しましょう。大きなランクルでもぴょ
んと跳ねた大型の鹿と衝突すると一発廃車。電車に乗っていても、「ただいま鹿と衝突
しました。排除作業をしますので少々停車します。」というケースもあります。

 インバウンド集客には「鹿」です。ただし、「しか」が一番なのです。

・当町、当店でしか・・
・この季節しか・・
・この人しか・・
・この山、川、湖にしか・・
そして、究極は 今しか・・・

 この「しか」をいかに伝えるか。そして旅行者の興味にリーチするように構成するか。
勝負どころでしょう。さて、一体、皆さんの「しか」は何でしょう?
旅行者の注目は「しか」という価値です。これをうまく引き出し、PRしたいですね。
いつでも相談にのりますので、お気軽にお声掛け下さい。

<7、浅草現象>

 東京で観光客で賑わう町といえば、若者に人気の新宿、渋谷、原宿と銀座、上野、浅
草が有名です。ちょうど、皇居の西側と東側に分類できます。当社の事務所は浅草のど
真ん中、仲見世と新仲見世のクロスするところ近くにあるため、観光客の動きをウォッ
チするには最適。
また、商店街の皆さまとも会話ができ今の内部事情がよくわかります。多分、狸小路が
そうなんですが、地元住民が近づかなくなる現象に悩んでいます。つまりは常連離れが
起きたお店が撤退し、新たに、観光客対象(特にインバウンド)のお店が、年間3000万
人以上が通るこの通りに出店。老舗の匂いに惚れてやってくるのですが、老舗が消えて
ゆく現象が起こっています。
話を聞くと、日本人観光客が減り、消費が減って、外国人観光客が増えている傾向とは
多くの店主の異口同音です。

 北海道の中心、札幌。来道する観光客の約8割が通るこの場所に、虎視眈々と本州及
び外資系の資本が集まり、そしてインバウンドを狙う。一方で、地元民は近づかなくな
る。北海道の札幌を舞台に消費される観光マネーが、道外勢によって展開される。もち
ろん札幌だけの話ではありません。

 どう対策を練るのか?という論議は飽きているでしょう。要するに、チャンスに気づ
かず、気づいても動かずなれば、よそ者が町を変えていくことを応援するのか、苦虫を
噛んだ気持ちで見るだけなのか、撤退するのかになってしまいます。道民の税金を使い
観光客を呼び込み、そして刈り取りは北海道を舞台に道外勢が持っていく現象。入り込
み数字で歓喜している場合じゃないことを痛感します。観光先進国や都市はどうなのか?
PR出せじゃなく、その先の時代考察をしなければならないと、浅草を見ていて思います。

 当社も何をすべきか、真剣に前に進みたいと思っています。

<今月の新規Web開設>
カルビー(ポテトファーム)様

<今月以降の予定>
・5月道銀主催の「インバウンド・プロダクツ2017」(新サービス発表)出展予定
 (於:札幌コンベンションセンター)
・JNTOに加盟予定
・旭川散策地図を大改革予定
・道東、道北、道南方面の市町村・観光協会営業予定
・札幌散策地図、函館散策地図に差し込みクーポンイベント開始予定

今月もみなさん、どうぞよろしくお願いいたします。

◎○ あとがき ○◎
 「お前もカゴイケしてるの?」という会話を耳にした。なんのことかと思えば、補助
金に群がり、結果も出すことなく横暴な運用をしている人のことを指すらしい。思った!
うわぁ、確かに、たくさんいるね。特に、ネクタイをした兵隊やくざのような旅行業の
けん引役と広告の集まらないメディアに多いわ(Taka)

 東京では桜が満開。毎年海外からこの桜を見に来る人が増えています。しかし見頃は
わずか1週間程度。そこに合わない人は・・・ そう、5月に北海道では桜が見れます。
東京・大阪とは気候が違うことを、北海道で「しか」見れないこの時期の風景。
もっと手をあげて伝えていきましょう!(Nori)

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