少人数・高消費対策

PATA(太平洋アジア観光協会)が先日発表した、アジア地区の国際観光見込み客数は、2023年は62%回復(対2019年比)、2024年は100%以上回復との予測でした。これまでの回復期は不明(2024~25年)から、なんと62%回復。
これを日本に当てはめると2000万人、北海道だと193万人です。過去から予測すると、193万人は 本州経由が160~180万人、直行便が13万人~33万人辺りになるのかもしれません。

一方で、こんな読み方もあります。
国土交通省航空局の2019年の夏期スケジュールの国際線が週5516便でした。これに対し、今年の夏期スケジュールでは678.5便でわずか12.3%です。しかし、夏期スケジュールの申請時期が例年3月であるため、今年の3月はコロナ禍だったので納得。
10月11日の入国緩和実施が世界の旅行者に相当安心を与えるでしょうから10月30日からの冬期(10月下旬~2023年3月下旬)への申請は大幅増と予測できますし、その次の2023年3月下旬からの夏期申請でも連続アップすると見込まれます。楽しみですね。

一方で、インバウンド客の期待は、「宿から近くて自然が楽しめる体験環境の良さ」「スキー・スノーボード三昧」「北海道食材のグルメ堪能」「プライベートで楽しめる露天風呂付き、貸切り温泉の雪景色」「円安によるショッピング」など多々あります。
これら全部をつまみ食いすると、慌ただしい旅となり、深く楽しむことことができず、これまでのような低単価観光になるので、是非、ゆっくり、深く接し、楽しんでもらえる街全体の提案が必要になります。誰かが作った街散策プランではなく、希望する人全員関与のサービス作りに向かわねばなりません。

いずれにせよ、個人客は10月11日以降に、堰を切ったようにアクセスが増え、10月からは予約が急増すると予想します。質問の多い、中国からの訪日再開についても、10月16日の中国共産党中央大会終了後を1つの区切りと見て、遅くとも来年1月下旬の春節時期には再開すると読んでいます。
特に北海道へは、「スキー・スノーボード三昧」の点で、北京オリンピック後、初のウインタースポーツを実体験できる「ニセコ、ルスツ、札幌国際、キロロ、トマム、フラノ」リゾートを軸に、大人気になる兆候があるとともに、これは日帰りツアーではないため、事前予約がセットです。予約を受ける総合的な地域の工夫が必要です。白馬DMOも安比高原もオーストラリアを中心にコロナ禍でも猛烈な営業をかけています。

さて、令和5年の観光庁の予算要求が発表されました。半官半民色が強さを増している北海道観光産業はまさに、この影響下にあります。
まず、観光庁の国際観光旅客税の事業費は270億円で、令和4年の3.3倍と見ています。ただし、2019年の同時期の予算額は510億円だったことから、コロナ前との訪日人数は全国平均で約53%と見込んでいるようです。
文頭のPATAの62%や北海道のウインタースポーツを代表する冬観光シーズンなど、2019年比較で入り込み数は6割程度としても、円安を好機と捉え、消費額を上げるための事前情報発信、プログラム作りは準備しめなければなりません。サービス人員の少なさのカバーは高単価客へのサービスの集中です。それと、街中への分散です。


2022年10月のTaka’s Log 「少人数・高消費対策」

 1、令和5年の観光庁の予算要求
 2、札幌市内の免税店状況
 3、アフターコロナの中国人のニーズ
 4、オールバウンドショッピング
 5、悠悠北海道データ集


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2022.10.7
シーダースコミュニケーションズ株式会社

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