旅行者のマインドは変わる

 5月4日、緊急事態宣言が5月末まで延長されました。北海道は今の所、5月15日まで営業自粛を、ということです。一方で、続々とアジアを中心に自粛解除、緩和、そして、経済活動再開、交通の回復が始まっています。
 新型コロナ感染症の収束とその後の活動については、地域や業種、それぞれの立場によって様々な意見があります。しかし、ベトナム39人、台湾94人、香港105人、タイ176人(5月7日時点 Googleより)など、これまでのように感染者延人数だけではなく、現在のリアルな感染者人数=実数の変動を知ると(新規感染者が出ても感染回復者との差分がプラスマイナスされるだけですから)、より「日々の回復感」がわかるものです。
 ちなみに日本は9,982人です。大きく遅れていることがわかります。情報を捉える視点で、大勢のマインドに大きく影響します(一覧は後述)。

 緊急事態宣言の延長は「いよいよ本格的に回復に向かう準備を始めよ!」というメッセージと、私は捉えています。そう視点を変えると問題の本質が見えてきます。
 コロナ感染症による「健康不安」がいよいよピークを過ぎ、国の金融対策が動き出す「まさに今」。余波としての倒産、解雇増大の試練を超えねばなりません。そして、その先の本当の困難=「事業の回復はどうするのか?」です。長い休業、時短、サービス縮小をしています。果たして以前のようにお客様は戻ってくるか? という不安です。

 観光業は、旅人の「旅行マインドが大きく変わる」ことを意識しなければなりません。「周辺客>道内客>国内客」と徐々に周辺から回復すると考えるのが普通です。でも、日本よりも2ヶ月先にピークを過ぎたアジア諸国の旅人マインドは、すでに緩やいでいて、飛行機の状況次第では、良いターゲットになりうる可能性が十分あります。後述しますが、仮に7月末~8月上旬にかけて、人の行き来の鍵が開くとすると、アジアからのインバウンドは来ます。その、一番手の客はいつ頃から検討(情報検索を)
始めるだろうか? と考えてみてください。道内や近所の様子ばかりに偏ってはいけません。ほぼ毎日、今日も日本発着の国際線が40便ほどが飛んでいるのが実態です(後述)。

 悠悠北海道に、今日もFITからの旅相談がきました。相談者は中国香港。時期は6月20日頃。場所は道東の釧路・阿寒地区です。年齢50歳女性。個人旅行計画中者。確かに、観光関連のホームページを見ると、大きく「休館中、一部運休中」が出ています。果たして、やっているのかどうか、不安になります。香港のリアルな感染者人数は105人、日本は9,982人。しかも日本はピークと感じているので気持ちも自粛中。マインドに大きく差があります。
 そうではなく、観光は世界ビジネスですから、世界を見て情報発信をすべきです。先の販売です。予約受付中が抜けています。それを止める理由はありません。この他にも、アジア圏からの相談が増えて来ています。恐らく、8月、9月、10月に向けてのリクエストがどんどん増えてくる。そして来年の春節には続々と予約がくるでしょう。北海道への憧れ、ニーズは何も変わっていません。このマインドがインバウンド市場です。「周辺客>道内客>国内客>海外客」などと決めつけることなく、もっとどっし
り構えてください。「衛生対策は大げさでもしっかり見せる」ことです。「集わない工夫」を見せることです。ただ、団体客が一番遅れます。

2020.05.11
シーダースコミュニケーションズ株式会社

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