皆さん、こんにちは。悠悠北海道の高橋です。8月号のテーマは「FIT対策1.5倍」です。
*このメールマガジンは、悠悠北海道のクライアント様向けの月次の報告を兼ねています。
観光消費市場について
観光消費市場の読みが、以前よりも難しくなってきています。
2024年の北海道の観光消費は、道内客・道外客・海外客の合計で約1.6兆円に達しました。それぞれの市場規模は5000億円を超え、ほぼ横並びの1/3ずつとなっています。かつて道内客市場が突出しており、道外の観光市場が約3割、海外客市場が約2割という時代とは異なる状況です。
これまでのように「インバウンドが伸びないなら国内市場を頼る」といった考え方が通用しづらくなっています。
国内市場はむしろ横ばいから減少傾向にあり、人の移動はあるものの消費額が少なくなっています。特に宿泊費の値上がり(1.4?2倍)が、グルメやショッピング、観光といった地域消費に大きな圧力をかけています。
その結果、高級サービスと庶民的サービスの分断が進んでいます。例えば、高級な懐石や寿司(1食2万円以上)がある一方で、1食千円程度の「路地裏のお店」が注目を集めています。「プチ発見」=口コミ発信を楽しむ人が増加しており、経済的に余裕のある層もこの新しい体験を求めて遠出し、時には宿泊を伴います。
北海道観光の状況と市場動向
北海道の外国人観光客率は、訪日観光客の全体数から以下の通り推移しています。
・2023年:9.33%(全体3188万人中234万人)
・2024年:8.24%(全体3687万人中304万人)
・2025年上期(1~6月):9%と仮定すると年間予測は390万人。
市場規模について、2024年の北海道観光全体では1兆5923億円を記録。詳細は以下の通りです。
・インバウンド消費額:約5231億円(約1/3)
・道外観光客消費額:約5238億円(約1/3)
・道内観光客消費額:約5454億円(約1/3)
前年比のインバウンド消費が1.6倍に成長している一方で、国内および道内の観光消費は前年並みの推移にとどまっています。また、宿泊費の高騰が他の消費成長を圧迫しています。
国別消費の動向
消費額が高い国は欧米豪です。1人当たり30万円を超えています。アジア圏では以下の傾向が見られます。
・中国:27.7万円
・香港:24.9万円
・韓国:10.9万円(欧米豪の約1/3以下)
2024年のインバウンド消費額は1人平均171,954円で、前年比約1.25倍(137,180円から増加)となりました。来道者数は韓国が最も多く、続いて中国、台湾、香港、タイ、米国という順序が見られます。一方で、一人あたり消費額が少ない韓国(10.9万円/人)へのターゲット施策に工夫が必要です。
今後の施策と展望
北海道の魅力を最大限に活かすため、以下のターゲットごとの施策が求められます:
・欧米豪向け:季節の自然美・アウトドア・スポーツ・歴史・伝統工芸・日本食など。
・東南アジア向け:季節の自然美・温泉・自然体験・アウトドア・グルメ。
・東アジア向け:買い物・温泉・アウトドア・グルメ。
まずは、北海道の魅力PRすることです。次に「何を体験できるか」「地域や施設・サービスを如何にアピールするか」です。観光の本質は「人のサービス」であるため、サービスを担当する人:ガイドやコーディネーターの紹介が重要になります。
今月もよろしくお付き合いください。
2025年8月のTaka’s Log 「FIT対策1.5倍」
1、国際線定期便からの分析
2、AIO検索とSEO検索の状況
3、アドベンチャートラベル客を増やすには
4、悠悠北海道の7月データ
*地域消費を増やすまち歩きのトラベラーが求める「より高度なモノサービス、コトサービス、ヒトサービス」が見えるデジタルマップを準備しませんか。
(*掲載についてはお問い合わせください)。
2025.08.08
シーダースコミュニケーションズ株式会社