世界で活躍する若手の社会学者たちは、長引くコロナ対策として、今だけではなく、この後も「飲食や観光関連事業者はリモートITサービスをすべきだ」と推奨しています。もはや、社会が変化し始めていて、消費者の生活の変化は一部に過ぎないといいます。
満員電車で通勤通学する苦痛や病院の診察を長時間待つだけの無駄な時間の削減。あるいは、家庭を軸に考えれば、電気や水道の使用量のチェックの自動化、新聞や郵便の電子化、あらゆるモノの宅配、食事のデリバリー、そしてリモート学習。交通の自動化、車の自動運転技術、工業界、産業界のリモートが進んでいることはご承知の通りです。
昨年暮れ、JEITA(電子情報技術産業協会)は、世界のリモートIT市場は10年後の2030年には、現在の57兆円が4倍の228兆円に飛躍的に伸びるとの見通しを発表しました。わずか10年間で174兆円を創出する社会が既に始まっており、消費スタイルが若者世代を軸に当然のように変わるわけです。
よって「観光だけがこのままである(戻る)」ことは100%ありません。
その予測はとても難しく、2020年の訪日客4000万人は残念ながらコロナの影響もあり達成できませんでしたが、2030年新幹線が札幌に延伸する頃の訪日客数の目標6000万人を国は変えてはいません。もしかすると、リモートITサービスの浸透により、カウント自体の方法が変わるかもしれませんが、これまで以上に大勢の観光客が動きます。
世界中で観光産業が止まることはありません。コロナ収束後から大きな反動が始まります。嬉しいことに、感染者数が欧米に比べ少なかった日本は、北海道は引き続き選ばれるでしょう。しかし消費者の動き、予約・決済スタイルは変わっているので、「今までのように戻る」ことは100%ありません。
多くの観光客が「観光消費」をしているのに、「地域にその消費額」が落ちないケースが出そうです。せっかくの地域PRが「新サービス提供者」にただ食いされるケースが容易に想像できます。
例えば、先日の経験ですが、カヌーに乗った某冒険家が大自然の景色をカヌー目線で、時にドローン撮影を混ぜながら旅案内をする映像を見ました。ゲーム用の大型曲面モニターの右から左に下る(移動する)8K映像と、臨場感に優れた見事な音で、私は視線を固定しているだけで目と耳を刺激されました。あたかも、話し声と移動する映像がシンクロしていて現地にいるような臨場感に驚きました。
ふと考えました。もしも、これが「地域の自然を紹介する有料番組で、著名なガイド役と技術スタッフ2名が現地取材して制作した映像だったとしたら?」。まさに、視聴者は現地に動かず。よって、本来あるべき飛行機、バス、ホテル、飲食の観光収入はゼロ円になるかもしれません。
海外から来た観光客が東京あたりで、設備の整った飲食店やホテルのロビーなどで有料視聴した人数が50人いたとすれば?現地売り上げは収録スタッフ分だけでほぼゼロ円。通信設備のつながった閲覧場所に新たな観光収入が発生します。
なので、日本への観光客は増えるのですが、我が町に増えるのか?と聞かれれば、YESとは言えませんし、観光消費が増えるのか?と聞かれればYESとはいえません。言えることは、「新たな仕掛け」が必要だということです。
まもなく東北の悲惨な震災から10年を迎えます。この10年間で飛躍した一つがインバウンド観光です。そして、この先の10年は「***観光」が伸びます。この答えの「***観光」は、各市町村の取り組み、各事業者の仕掛けにより様々でしょう。
ただし、団体観光は減り、グループ人数は少なくなり、新たな、予約決済に向かうことと、「本業+アルファ」のアルファが大化けの元になるように進むのではないでしょうか?
知恵を絞って「アルファ」を生み出しましょう。
2021年3月のTaka’s Log 「リモートITサービス」
1、どうして海外にいけないのか?を考えると見えてくるもの
2、是非、1月号/2月号を再度チェックを
3、ホームページを下げると起こること
4、宅配サービスの地域化
5、悠悠北海道データ集
海外へのダイレクトなPRの第一歩は、アジアの個人に届く公式サイトを持つことです
(*掲載についてはお問い合わせください)。
2021.03.08
シーダースコミュニケーションズ株式会社