アリペイ(Alipay)かウィーチャットペイ(WeChatPayment)か

 これから夏観光の本番を迎えますね。道内客、本州からの旅行客に加え、インバウンド客が重なりますから、皆さん、大忙しのことと思います。特に、最近は体験型観光客を取り込もうと、率先して動く方々が増えています。何かやるとしても、SNS対策、ドローン対策、支払い対策、予約対策など周囲の基本対策が増えていることに気づいていると思いますし、以前と違い、肌感覚から脱皮してこれらをデータ化して分析する方向に向かっています。
 外部環境としては、VISA 緩和、LCC増加、キャッシュレスペイの浸透、DMOスタート、道内7空港一括管理、民泊解禁、2020東京五輪と2022北京冬季五輪、札幌・函館・旭川駅前地区ホテルラッシュ、簡単通訳機器&ソフト普及などなど、2020年節目の年が確実に近づいています。道内全域、大きく変わりますね。イメージできていますか?

<1、アリペイ(Alipay)かウィーチャットペイ(WeChatPayment)か
   導入するならどっち?>

 世界で急速に浸透しているQRコードによる決済方法。日本は紙幣の偽造対策と国民性から世界一の現金主義国家となっているため、QRコード決済の対応がのんびりです。経産省のキャッシュレスビジョンでは、中国9割、欧米4割、日本1割で、遅れている日本の浸透を10年後には欧米並みの4割にする方針が示されました。10年で3割アップですから、猛烈な勢いでQRコードによる銀行の口座間移動が推移すると予測できます。

 悠悠北海道では、この話題を伝えて1年が経過します。そして、QRコード決済は必須だと伝えています。しかし、相変わらず一番相談が多い「どっちがいいですか?」を追求します。
キャッシュレスサービスの営業マンは、微博(weibo)の人数が圧倒的に多く、しかもSNSでPRできますよ!と言います。その数の論理とPR得意というメッセージで導入を決めた事業者が多いと聞きます。ところが、東京では圧倒的にアリババのアリペイが多いのです。
なぜでしょうか?

 答えは、中国にありました。現在のキャッシュレスの使用比率は(アバウトですが)、全中国の2:1=Alipay:WeChatPaymentと言われています。Alipayが急速に伸びたのです。加入者が多いのは理由ではなく、SNSでPRできるのが理由ではありません。ウィーチャットペイはそもそも微博(SNS)から生まれた口コミサービスなので、個人間の小銭の移動が多い。それに比べてアリペイはネット通販の決済のための代金支払いのためのツールで、企業間やBtoCでの決済移動に使われています。そして決定的な人気が「決済事故があった時の補填をアリペイは行う」「与信サービスのゴマ信用スコアというサービスと連動」しており、使用者の決済状況をポイント化し、信用度の高い人には良いサービスを提供するという仕組みに中国人が反応しています。だから、Alipayを使いたいのです。
そして、日本へ海外旅行をする層が中間層以上ですから、クレジットカードを所有している人が多いですね。

 両方使える状態にするのが間違いありませんが、高額サービス・商品であれば、Alipayは欠かせないことになります。さて、その額は? 一つの目安として250元(約5000円)と思ってください。店舗での決済サービス額が5000円を目安に、AlipayかWeChatPaymentかを考え、日本への旅行者であればAlipay。ちょっとした小銭感覚であればWeChatPayment。という風に、利用者も事故防止のために口座を分けて(銀行を分けて)使っていることが多いようです。なるほど、小銭入れと札入れを分ける感覚ですね。さて、皆さんはどっちがターゲット?

 それと、せっかくのキャッシュレスなのに、遠く、あるいは周囲にいる人に「ここ!」
と伝える手段は不可欠です。SNSでPRできますよ!という巧みな営業マンの口車に乗らず、当店で使えることをPRして、「ここへ行こう!」と目標になればいいですね。確かに免税店サービスが始まった時もそうでした。

 インバウンドサービスの先駆者、悠悠北海道のスマホサービスのxixや地図サービスで、AlipayやWeChatPaymentで払えることを総合的に伝えるのが良いですね。ところで、気になることの一つに、街ぐるみで小銭決済サービスをPRしては?ということがあります。 
やるならば、絶対に両方だと思います。

海外へのダイレクトなPRの第一歩は、アジアの個人に届く公式サイトを持つことです
*掲載についてはお問い合わせください)。

2018.06.07
シーダースコミュニケーションズ株式会社

name

コラム/バックナンバーを読む