2022年からはスポーツ旅行

東京2020のオリンピックが無事終了しました。私は、だらだらと続く閉会式を見ていましたが、次回開催国のフランス・パリ市のアピールするVを見て、「日本の進め方は失敗した」と改めて感じました。日本は大会をミクロ的に見過ぎなのです。というかコロナに怖じけ過ぎです。
そもそも世界のDMOの発想からは、五輪は世界最大級のイベントであり、この開催権を勝ち取ったわけですから、メッセージ力もある強い国のはず。もっともっと「東京のPR」を基本におくべきでした。
当初から、五輪放映権は「NBC」が占有し、これを各国各局に分配。放映権料の一部はIOCに入る流れです。だから、ニューヨークを中心とするアメリカ東海岸時刻(日本とは-14時間)で競技は組まれます。

時間の引き算をすれば、深夜までしっかりした姿勢の天皇陛下の姿は、ニューヨークでは朝10時のモーニングコーヒータイムでした。このスケジュールを日本国民に事前に伝えていたとすれば、絶対にNOだったはずです。コロナよりもNOでしょう。
五輪は無観客、除菌、都民は外出を控える、都民は飲食店でお酒を飲めない、競技はニューヨーク時間、メダルは自分でかける、競技直後のインタビューはマスク着用・・・。しかも、東京のPRはほぼゼロでした。仕方がないと思っていたのです。

一方、フランスは、競技会場そのものをエッフェル塔、ヴェルサイユ宮殿、ルーヴル美術館、コンコルド広場など世界的な観光名所にセットしました。これは、さすがです。NBCであっても各競技の紹介には、これら観光地を紹介せざるを得ないわけで、パリは絶対にPRできるこの方針は素晴らしい決断です。
VTRも見事でした。エッフェル塔前のスポーツ施設前広場に集まった6000人の密。陽気で若々しく、エッフェル塔にかけた世界最大の五輪旗(これは天候の都合で練習時のVと合成とか)、ブルーインパルスばりのフランス国旗の3色飛行。そしてARIGATO東京。

観光は人サービスなので、誤魔化しはききません。特に自由に発言できるSNS文化が定着している今、現場で得た感動が体験としてSNSに流れます。非常に単純な仕組みですが、正直です。そして、ワクワクするのです。心に響けば行動します。頭に伝えても中々動き出しません。次に、タイミングです。SNSに拡散という言葉があります。良くも悪くも拡散。これは勢いであり、タイミングです。
観光で多いケースは、進めようと思うことを大勢で何度も何度も会議して、無知な役員がいれば一から説明する。そして、補助金の申請をして仮にGOが出たとして完成するのは2年後。時すでに、当時のニーズは別のステージに移行しているということをよく耳にします。Time is money. なわけです。

夏季オリンピック東京大会は前半戦を終了しました。でも半年後の来年2月4日には、もう冬季オリンピック北京大会(北京、延慶、張家口市の3エリア)が開催されます。そして、北京五輪を皮切りに、来年~再来年は国際的にビッグなスポーツイベントが続きます(*1)。

*1
2022年 2月 冬季オリンピック北京大会
2022年 7月 世界陸上アメリカ大会
2022年11月 FIFAサッカーワールドカップカタール大会
2023年 8月 世界陸上ハンガリー大会
2023年 9月 ラグビーワールドカップフランス大会
2024年 7月 夏季オリンピックパリ大会

国際スポーツ大会は、観戦目的であっても、前後に市中観光・グルメ観光・ショッピングにつながる消費拡大のコアになりますし、リピーター獲得にもつながります。これが約2年間連続します。きっと、観光のキーワードは「スポーツ旅行」になるかもしれませんね。
コロナ情報で騒がしい日本に戻りましたが、しかし、8月8日の日本発の国際線は、成田国際空港発が39便、東京国際空港羽田発が26便、関西国際空港発が7便、中部国際空港発が3便の4拠点発が75便でした(福岡空港、那覇空港、新千歳空港は0)。
10日は成田国際空港発が46便、東京国際空港羽田発が30便、関西国際空港発が6便、中部国際空港発が1便の4拠点発が83便でした福岡空港、那覇空港、新千歳空港は0)。

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2021年8月のTaka’s Log  「2022年からはスポーツ旅行」

1、道南が北海道回復のポイント
2、今をどう見るか
3、11月開催の産業交流展
4、ミニツアー/ガイドツアー
5、悠悠北海道データ集


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2021.08.16
シーダースコミュニケーションズ株式会社

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