皆さん、こんにちは。悠悠北海道の高橋です。今月号のテーマはこれから先の「手腕の見せどころ/Vol.140」です。
4月17日、JNTO(日本政府観光局)から今年3月の訪日数定例報告があり、初めて単月で300万人を超えたニュースが流れました。その内訳は、中国からが一番多く(香港含む)、次に韓国、台湾、米国の順でした。北海道内の感覚とは異なります。「韓国、台湾、中国(香港含む)、タイ」の順が北海道。新千歳の国際線も半数が韓国からです。
確かに、2月の北海道への国際線定期就航直行便は1日26~30便でしたが、現在は1日18~20便と6割程になっています。1年以上前からの代理店の団体仕込みは本州の桜観光(花観光)ですから、ほぼ何もしないベクトルから抜け出すのは、厳しい状況の北海道が定番になっています。
丁度、昨年の今日、コロナの2類感染症が解けて5類になりました。コロナ解除から1年目です。昨年まではGO TOがありました。単月300万人超えの賑わいにはピンときません。
状況を整理します。
1、コロナ明け2年目に突入
2、訪日客は過去最大で順調に推移。
3、関東以西が順調(特に関西)で東北北海道は苦戦
4、今年2月を100とすると3月4月は60程
5、GO TOの後押しは望めない
6、北海道は、韓国、台湾、中国(香港含む)、タイの順
7、3月、4月は何もない北海道のイメージ定着(団体客対策は代理店依存型)
8、夏観光は戻るのか?という不安
9、宿泊単価の2割~5割アップ
10、観光業のスタッフ不足によるキャパシティ8割営業
ところが、こういう状況の中でも好調を維持している事業者もたくさんあります。例えば、客の8割がインバウンド(foreign tourists)、客の半数以上が中国人客、客の大半がFIT(Foreign Independent Tour/Free Individual Travelerの略)、国立・国定公園の中にあるためツアーが組まれるなどです。そして、利用客からの口コミ(SNSや動画)が発せられるサービス満足度の高さが共通しています。
今月号のテーマは、「経営層、企画担当者の手腕の見せどころ」です。
1、中国でのパッケージ商品販売の緩和(日本市場含む)
2、道内国際空港の入国管理官数減が戻る
3、道内国際線定期便就航数が増える
4、チャーターが動き出す
5、北海道の夏観光シーズンがやってくる
6、東京経由便で北海道入り(各地空港)、新幹線で道南入り
7、北海道はグルメ観光人気(ご当地グルメ)
8、引き続きホテルの単価アップ
9、引き続きスタッフ不足による対策
10、国内客、外国人旅行客、ビジネス客の比率
11、OTA依存からベストレート表示によるダイレクト決済化の開始事業者増(東京・大阪)
12、道央圏は関東の滞在型に、道南・道北・道東・オホーツク圏は団体客が多く周遊型に
13、表面的な情報は意味が薄れ、広く、深い情報を
14、体験観光(専門的ガイド=高額、ちょっとした説明=デジタルガイド)
15、SEO対策は国別の負荷分散へ(日本で出るから海外でも出るは間違い)
16、Google離れの中国(1%)と韓国(20%へ)
17、イギリス、カナダ、アメリカ本土、オーストラリアのアクセスが伸びてきている
18、大阪万博に向けた関西からの旅行者誘致対策(大阪、東京、札幌にないもの)
19、パリ五輪時期の大型ビジョンサービス
20、TAX-FREE(免税制度)の第8回目見直しの方向性
21、周遊型から滞在型で滞在時間が伸びている傾向
22、消費額が2割アップの傾向
23、1滞在中に複数回来店のインバウンド客
24、レンタカー移動が増えている
25、昨年以来続く国内値上げで主婦の財布が硬くなる傾向は6月以降一段と厳しくなる
担当者の手腕の見せどころの一部を挙げてみました。AI関連、決済関連、ライドシェア、宿泊施設の小型化、ガイド観光などまだまだ変革項目はあります。今まさに観光変革期です。
悠悠北海道の特集傾向です。個人手配者の相談が増えて相談内容も深くなっています。昨年のATWS以降、北海道の自然公園情報の質問が増え(世界遺産2・国立公園6・国定公園6・ユネスコジオパーク2など)、また、北海道内の各空港、北海道新幹線駅、バスなどの移動手段が見られています。
ヒットしているこれら特集から、まち歩き情報強化(ジオパーク散策と周辺滞在など)、おすすめ宿泊情報の強化(ナショナルパーク内の宿など)、ゆっくり楽しむ市町村の旅(悠悠北海道ご利用の自治体・観光協会など)を4年後の北海道ATに向け(北海道への欧州便の定期就航が始まる情報より)、準備を進めています。
このような計画的な情報発信は、従来からの海外SEO国別対策が有効で、これに注目する場合は、キーワードがヒットするまでに、多くの場合3~5ヶ月かかります。5月の仕掛けで8月~10月からヒット、更に予約・事前決済は平均2~3ヶ月後なので、10月~1月(5ヶ月~7ヶ月)の予約対策というのが、基本的なタイムスケジュールであることをご理解ください。
ただ、早々に当たる国、キーワードがマッチせずに時間のかかる国があります。
これからは個人客だ!と言いつつも、ではどうやって増やしますか? という問いに、スパッと返事のある事業者は今のところ皆無です。ならば、足もとの魅力の見直し(後述)、三角観光でPR(後述)、地元データ取得(Gnome)などを試しつつ、答えを引き出し、振り返ったら「この分野では強い」を目指すのがいいですね。
これから先の手腕の見せどころ - 今月号も、よろしくお付き合いください。
2024年5月のTaka’s Log 「手腕の見せどころ」
1、手腕の見せどころ
2、北海道の魅力的なATとは
3、黙っていないで三角観光をPR
4、立ち止まったところが
5、悠悠北海道データ
*地域消費を増やすまち歩きのトラベラーが求める「より高度なモノサービス、コトサービス、ヒトサービス」が見えるデジタルマップを準備しませんか。
(*掲載についてはお問い合わせください)。
2024.5.8
シーダースコミュニケーションズ株式会社