リニューアル記念コラム 観光DXの正体

 今回、会社のホームページをリニューアルしました。個人的にこれを記念して、コロナ禍の今、感じていることを書きます。

 国際線が運休し越境できずに、インバウンド客数のゼロが続いています。「どうしようもない、どうなるんだ、何をすればいいのか?」という思いで一杯だと思います。しかし、一方で、コロナが収束すればまた復活するさ! という希望的推測を促すような諸外国のアンケート調査がタイミングよく、まことしやかに、「日本は人気だ」「北海道の憧れが強い」が流す人がいるから不思議です。当然、すがるようにそれらを見て、安心し、信じたくなるものです。

 「大丈夫さ!」は、果たして本当にそうなのでしょうか? と不安とともに疑いたくなるのは、では、そのために、わざわざ越境して、お越し頂ける人のために、「私がやっていることはこれで良いのか? が消えないからです。だって、空気の入れ替え、体温測定、除菌、3密回避、マスク着用、騒がないに加え、手袋着用、小分け料理など、ごく一般的なことしかしておらず、それは、全世界でやっていることだから、特徴にはならないことは、わかっているからです。

 日本は、平均値を聞くと安心する国民性が強いのですが、そもそもやってくるインバウンドは平均値ではないわけですし、グレートな北海道に行ってみたい! という具合に、北海道は特別な場所だから注目されています。観光は、そもそも非日常であり平均値でありません。

 コロナを境に、観光DXが叫ばれ始めています。観光をデジタルのトランスフォーメーションする(変革する)わけです。観光における、デジタルでの改革とは何でしょうか?それは、すでに、私たちの生活にも密着しています。「決済もしかり、予約もしかり、各種様々な情報もしかり」です。でも、押さえておかねばならないことは、人が移動する観光において、デジタル処理できるものは、椅子取りゲームと同じで、椅子や部屋の数、サービスする人の受入キャパ、どこの椅子が「空いている、塞がっている」という情報です。もうすでに、航空座席、ホテルのツインルームのような情報がそうなっていることは世界が承知しています。これが、世界中から、この日時に使えるか、という確認と、予約し決済できる安全な仕組みがあり、常に、生き物のようにリアルタイムで更新されている「こと」が必要です。

 一言で、「在庫をデジタル化」することです。在庫には「座席、部屋」の空きと、人手サービスの空き時間や余裕人数という在庫があります。一方で、夕日が綺麗な丘には在庫概念は不要です。

 さて、コロナが収束した時、あなたのお店の、あなたのお店に来る前に立ち寄る場所の、あなたのお店を訪問後に立ち寄るお店の「在庫情報はデジタル化されて誰でも見られるように公開」されているでしょうか? 公開されているとしたら、そこから予約と決済が出来るでしょうか?

 ということが問われます。真剣に考えてください。いくつものサービスがあり、そのサービスを提供・サポートする人がいます。あるいは、いくつもの事業者があり、その全てで、全てのサービスが、可能になっているのか?という「自分の周り」をまずは確認したら、次に、自分のサービスの前後の立ち寄り(もっとも多いパターンから3つ程度)は、どうなっているかの確認です。その次に、地域はどうなっているのか、交通との繋がりはどうなのか?など、エリアが広がり、より、旅行者の足取りに近い状態を推測することになります。

 コロナ収束の頃、利用者が観光DXに向かっていることは推測できます。OTAから離れ、自分なりのコース作りを楽しむのも観光の入り口です。当然、個人です。当然、質問をしたいでしょう。当然、現場とダイレクトに話したいに決まっています。それが、世界中から見られるし、在庫状況がわかるし、予約・決済できるところが人気になるに違いありません。

 それと、インバウンドって一体何でしょうか? 外国からの観光客でしょうか? この発想ならば、コロナが収束するまではインバウンドは動かない、でしょう。しかし、次のような発想が生まれています。インバウンド は、「各国の観光短期VISAを使って越境する人たち」で、わざわざVISA申請をしなくても良い「観光制度」を使ってくる人たちです。例えば、入試、商談、視察、スポーツ観戦、イベント参加、セミナー聴講、下見、趣味の実現、人に会うため、美容、治療、技術習得、商品買い付けなどなど、です。この人たちが、インバウンドとして、ビジネス用の飛行機で最初にやってくる人達です。どうやら、我々が思っている観光客ではありません。

 どうやら、インバウンドには、観光目的のインバウンドと、それ以外の一般インバウンドがいて、どちらも、短期ビザの特権を利用し、気軽に入出国しています。そして、彼らは圧倒的に個人であり、圧倒的に、大都市でコトを済ませたあと、褒美として、ついでに、観光を楽しむ人たちと解釈すれば、

時間制約を受けながらも、

 ・思いっきり楽しみたい

 ・挑戦したかったこと

 ・訪問したかった場所 などのこだわりがあるようです。

 コロナ収束後の市場を動かしている人たちの変化はすでに始まっており、彼らこそが先に動くインバウンドに違いありません。その彼らを受ける側としては、観光DXの正体を理解し、まずは、在庫をデジタル化し、公開し、リアルタイム管理することで、予約と決済ができることを、今すぐ準備していかねばなりません。

 地域としては、「地域在庫の把握」です。私は、デジタルには適応しないという意見もあります。そういう意見を聞く以前に、「共通の説明をし、理解を深めてから、判断を仰ぐ」ことをせずに、デジタル化は整理できません。

 ・デジタル化の波と変革

 ・インバウンドとは?の再認識

 に注目してください。

さて、国内でも、Gotoトラベル、Gotoイートが話題です。これも観光DXであることは理解できるでしょうか? これらはまさに変革の波であって、だから、在庫管理できる「対応企業」を経由しなければなりません。そこで、得たクーポンは「紙=アナログ」です。地域で、アナログ使ってください、ということです。すでに、国内でも差別化が始まっています。

 観光DXは、諸外国においてはスマホユーザともつながっています。例えば、コロナ陰性を証明するためにPCR検査を受けました。この陰性証明を一人一人がQRコードを読み取り、証明されるとします。持ち歩けます。次に、ある建物に入る際に、検温し、マスクしている姿をカメラが捉え、両方ともにOKの場合、そのQRをかざして、情報を追加されるとします。出入りを日々繰り返すことで、マスク非着用の人、高熱の人、陽性反応から14日経過していない人を判別することができます。

 この仕組みを使うことで、10万人が移動しても、10万人ともに「健常」が証明されながらの空間を保つことが可能になります。

 これが、東京オリンピックが安全に開催される、理由です。平均値で物事を判断するのは危険であり、根拠のなく・知識のない人が集まった多数決は もはや 民主主義ではないことを世界は知っています。

海外へのダイレクトなPRの第一歩は、アジアの個人に届く公式サイトを持つことです
*掲載についてはお問い合わせください)。

2020.12.02
シーダースコミュニケーションズ株式会社

name

コラム/バックナンバーを読む